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幸地 司(こうち つかさ) NPO週末起業フォーラム認定 起業コンサルタント 起業支援コーチ 週末起業塾塾長 日刊ベトナムタイムズ編集長 オフショア開発フォーラム 代表
↑勉強会のひとコマ ↑起業家仲間の打上げ風景 ↑ネタ出しの基本はブレーンストーミング ↑フリーマーケットは起業家養成「虎の穴」。当然出店する側です。
読み方:まきこみ
巻き込みとは、顧客が自発的にお気に入りの企業に関与することを促進するマーケティング活動。「顧客を巻き込む」という風に使う。「住民を巻き込む」「政府を巻き込む」という使い方もお馴染みだ。
顧客を新製品の企画・開発に巻き込むマーケティング活動を「共創」と呼ぶ。製品それ自体では差別化が難しい場合、顧客を巻き込む共創戦略は特に有効である。
むかし、「生理用品ナプキンについた羽は、私が中学生のときに思いついたアイデアだ」と言い張る女性がいた。この方は、商品企画には全く関与していないが、自分のアイデアが形になると嬉しいだろう。これが、顧客が共創プロセスに参加する原動力である。
伊藤園のおーいお茶には、一般公募された俳句作品が印刷されている。これも共創の一種。蛇足だが、もし私の俳句作品がおーいお茶に載ったら、私は間違いなくおーいお茶を買い占めるだろう。
読み方:もばいる・まーけてぃんぐ
モバイル・マーケティングとは、携帯電話や携帯情報端末(PDA)を活用するマーケティングのこと。ケータイを使った事例が圧倒的に多い。
モバイル・マーケティングの有名な成功例を調べてみると、TV、新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアとケータイが連動するパターンが多い。
費用対効果として成功した従来の事例では、人気の着メロや待受画像をダウンロードさせることで顧客情報を入手する『古典的』な手法が目立つ。
企業側のマーケティング担当者にとって、ケータイは人々が24時間肌身離さず持っていることが最大の魅力だ。トイレにもケータイ、お風呂にもケータイ、朝の目覚まし時計もケータイといった感じ。
企業はマス・マーケティングで顧客に接触する。そして、顧客はケータイを介して企業に反応するのがこれまでの成功パターンである。
・深夜のTVショッピングを観る →気に入った商品を発見 →即座にケータイで検索・注文する
・お昼休みに雑誌をパラパラめくる →気に入った商品を発見 →即座にケータイで検索・注文する
・最近気になるCMがある →即座にケータイで検索する →期間限定で、CMソングの着メロがダウンロードできることを発見 →個人情報を引き換えに着メロをゲットする
モバイル関連の技術や倫理が成熟するまでは、企業はわざわざ知恵を絞ってCRM的に工夫するよりも、従来のマス・マーケティング手法を使った方が、費用対効果の面から効率的かもしれない。
読み方:のりかえこすと
乗り換えコストとは、現在利用している製品やサービスを他社に乗り換えようとするとき、顧客が負担しなくてはいけない費用のこと。マーケティング担当者は、スイッチングコストと呼ぶことが多い。
ちょっと前まで、携帯電話をドコモからauに変えようと思ったら、電話番号を変更せざるを得なかった。この場合の乗り換えコストは著しく高いので、ほとんどの人は携帯キャリアの変更をためらった。
すなわち、乗り換えコストが高い製品は、顧客が他社に流れる可能性が低い。
乗り換えコストが極めて高い製品・サービスの例をいくつか挙げる。
・大学(日本では、他大学への編入は極めて難しい) ・持ち家 ・つけの利く馴染みの飲み屋 ・ブラックボックス化されたアウトソーシング業 ・海外企業との合弁事業 ・夫婦関係
大企業は、顧客の不便を省みず、わざと乗り換えコストを高くする傾向がある。「他に乗り換えられるなら、どうぞ」みたいな高飛車な態度である。
だが、中小企業や週末起業家は、乗り換えコストを高めるべきではない。顧客を囲い込むメリットよりも、機会損失の方が大きいと思う。圧倒的なブランドがない限り、顧客を抱え込むなんて不可能だ。
真面目な起業家は、小手先のテクニックを使って乗り換えコストを高めるよりも、「透明性を高める」「継続便益を高める」といった顧客を尊重した事業方針を採って欲しい。
読み方:かこいこみ
囲い込みとは、自社の顧客が他社に逃げないようにするためのマーケティング上の各種試み。航空会社のマイルや家電量販店のポイントカードは、顧客を囲い込む代表例である。
顧客を囲い込むには、4つの基本原則がある。
・わざと内容を難しくして、顧客を煙に巻く ・他社に乗り換えるコストをうんと高くする ・継続するほど、よりお得になる仕組みを設ける ・顧客と親密な人間関係を創り、利害関係を超えた付き合いをする
前者の2原則は、意地悪な発想。後者の2原則は、顧客視点の発想。
今の時代、本気で「顧客の囲い込み」を口にする企業があれば、頭が3年から5年遅れていると思って間違いない。なぜなら、顧客の立場からすれば、特定企業に囲い込まれたいなんて思うはずがない。むしろ、個人情報を悪用されないかなど、迷惑な側面が大きい。
週末起業家なら、なおさら顧客の囲い込みなど考えないほうが良い。ブランドもなく、お金も体力もない個人事業のレベルでは、顧客を無理矢理に囲い込むなんて、絶対にできやしない。
これからは、脱「囲い込み戦略」が求められる。いや、既にそれが常識である。
「囲い込み戦略」から、意地悪な発想を取り除いた新しいマーケティング戦略を「公平で開放的なパートナーシップ戦略」と呼ぶことにする。これは、私の造語である。
あなたなら、どんな囲い込み戦略が可能か。そして、どんな「公平で開放的なパートナーシップ戦略」が可能か。
読み方:しー・あーる・えむ
CRMとは、IT(情報システム)を駆使して常連客をたくさん創り、長期的な信頼関係を元に、企業と常連客の双方にとってメリットが最大化されるように試行錯誤するマーケティング手法。
富山の薬売り(置き薬商法)はCRMの原点ともいえる。置き薬商法は、薬屋さんと常連客との間に長期的な信頼関係がないと成立しない。これは、マーケティング上の小手先の工夫ではなく、業者の屋台骨を支える戦略的な取り組みである。
CRMは、商品・サービス自体での差別化が困難な業界・企業にとって特に役立つ。
【それ自体での差別化が困難な商品の例】 薬、本・CD、ゲーム、旅行、酒、タバコ、印刷物、PC
例えば、頭痛薬なんて、製造元が同じならどの小売業者から買っても効能は同じである。同様に、本や旅行商品も基本的には、どこで買っても大差ない。
だからこそ、売り手は競合との差別化を打ち出すために、「売り方」を工夫してお得意様に自社をアピールする。
ネット書店のアマゾンは、世界を代表するCRMの成功例である。
いわゆる『一見さんお断り』の隠れ家的なお店もITを使わないCRMの成功例である。日本に古くから存在する商売方法には、CRMの原点が豊富に詰まっている。
常連客と末永く信頼関係を築くためのあらゆる企業活動はCRMである。週末起業家のレベルでも、メルマガやニュースレターを定期発行する。
ステップメールで段階的に有益な情報を提供する。常連客だけが参加できるコミュニティを創り、商品開発プロセスに常連客を関与させる「共創」を行うなど、様々な手法がある。
■ 共創とは【co‐creation】 読み方:きょうそう
共創とは、商品やサービスの開発プロセスにより多くの顧客を巻き込み、よりよいモノを作り出そうとする試み。
世界中のボランティアが参画したLinux開発が共創の代表例。化粧品や食品、嗜好性の高い商品開発の過程で共創は生まれやすい。
モノ不足が深刻な高度成長期には、企業が一方的に商品を提供しても、飛ぶように売れたそうだ。だが、SNSやケータイなど双方向のメディアが発達した現代では、どんなに大規模なマーケティング調査をしたってヒット商品は生み出せない。
商品企画の段階から、顧客の声を反映できる仕組みが望ましい。考え方を更に進めて、顧客を商品企画に直接関与させてしまう。特に、それ自体で差別化が難しい製品・サービスを開発する場合、共創は有効な戦略である。
ただし、何もないゼロの状態からの共創は難しい。企業が自社の顧客に「何が欲しいか?」と聞いたところで、満足いく答えが返ってくるはずがない。
共創する上で大事なポイントは、企業側が新製品やサービスの基本コンセプトを提示すること。企業側が最も大事な基本的なデザインを提示すること。
お膳立てが整ったところで、初めて人は共創のプロセスに参加する。共創による新製品開発は、「良」を「優良」にする効果があるが、最初に平凡なアイデアしか出せない企業では、決して成功しない。
顧客がワクワクする、社会に貢献する、自尊心が満たされる等が共創を成功させる必要条件である。
モーニング娘。を生んだ、ハロー!プロジェクトも共創の成功例かもしれない。
読み方:こうしょう
交渉とは、複数の個人や団体が話し合って、互いに受け入れられる落し所を探りながら問題解決を図る一連のプロセスである。
互いに膝を突き合わせながらface-to-faceで話し合う形式だけではなく、電話・FAX・メール・手紙なども好んで用いられる。
交渉を成立させる5つのステップ。
1.準備 2.交渉相手との関係構築 3.情報交換 4.説得 5.合意
交渉で最も大事なことは「落とし所」の決め方。例えば、win-winの関係でいくのか、win-loseでいくのかは、最初に明確な方針を立てておかねばならない。
私の考えでは、win-winとgive-and-takeは全く異なるアプローチである。win-winが平和的、かつ協調的なアプローチであるのに対して、give-and-takeは損得勘定を重視したより合理的なアプローチである。
あなたは、口ではwin-winといいながら、態度はgive-and-takeを示していないだろうか。交渉では終始一貫性を保たないと、欲しい結果はなかなか得られない。
give-and-takeでは、どちらかが見返りを期待してしまう。自己啓発的には、give-and-given(互いに与え、与えられる関係)がwin-winに近い交渉態度だといえよう。
読み方:りんり
倫理とは、法律などで明文化されない道徳・規範であり、特に個人の行動について清く、正しい振る舞いを求める。
米国のある心理学者が、個人のモラルを高める6ステップを考案したので紹介しよう。
step1 服従と罰 誰かにそうさせられている状態。
step2 個人主義 個人の趣くままに意思決定する状態。
step3 個人間の一致 親しい友人、家族のためを思って意思決定する状態。一族の繁栄のためなら、反社会的な行為に走る可能性がある。
step4 社会システム 社会通念に基づいて、自分の義務と責任を理解する状態。
step5 社会的な契約 最大多数の最大幸福を追求する状態。
step6 普遍的な原理原則 普遍の原理原則に従う最高位の倫理観を持つ状態。例えば、コビー博士の「7つの習慣」を実践する生活態度。
平均的な日本人は、step4の状態にいる。たまにstep5の状態の人がいるが、step6はほとんどいない。
あなたの商売で誠実さや正直さをウリにするなら、自社の倫理観を自己診断してみよう。
【余談】
昨夜、沖縄入り。那覇空港に着陸時に真っ黒に燃えたぼろぼろの飛行機が目に入りました。なんじゃこりゃーーと思ったら、大炎上したチャイナエアライン機でした。後でニュースで大炎上シーンをみて肝を冷やしました。
http://jp.youtube.com/watch?v=GWEIy5Nfze4&NR=1
読み方:めたふぁー
メタファーとは、比喩の技法の1つであり、隠喩・暗喩と訳される。露骨に「まるで・・・のようだ」とは言わず、「足が棒になる」のように使われる。
難しい概念を文章でだらだらと説明するよりも、メタファーを使った方が相手に伝わりやすい。
もし、米国文化を1分間で説明せよと言われたら、あなたならどう答えるか。こんなときこそ、メタファーを活用しよう。
回答例「米国文化はアメリカンフットボールである」
続いて「その理由は以下の通りです」と時間の限り解説すればよい。
攻守の役割分担が明確に定められたチーム構成、高度な戦術と圧倒的な個人技の融合、選手一人ひとりは監督に駒のように扱われる、優勝という一文字が唯一の求心力、徹底した個人評価。
現在のマーケットは、多様性に満ちている。週末起業家とはいえ、異文化の理解なくして成功はあり得ない。
国境を超えた異文化の理解に役立つ観察項目を紹介しよう。
・プロセス重視/結果重視 ・感情表現の激しさ/おとなしさ ・個人重視/関係重視 ・人々の平等意識、階層意識 ・経済活動と文化がどのように関連しているか ・当該文化にぴったりなメタファー
あなたの会社、家族、趣味サークルの文化を表す絶妙なメタファーを考えてみよう。さらに、日本文化のメタファーを1つ以上考えてみよう。
例 「わが社の社員はみなゴルゴ13である」 「日本文化は庭園である」
読み方:こんてくすと
コンテクストとは、文脈や背景、前後関係のこと。日本人は、行間を読むのがうまいと言われるが、それは日本文化がコンテクストを理解する能力がないと生きていけないことの裏返しでもある。
Context is the information that surrounds an event; it is inextricably bound up with the meaning of that event (Hall&Hall 1989)
あうんの呼吸が通用する文化をハイ・コンテクスト(high-context)といい、対照的にいちいち全て背景から説明しないと気がすまない文化をロー・コンテクスト(low-context)という。
ハイ・コンテクストな社会では、仲間内などの人脈が極めて重視される。会社とプライベートの区別が弱い。あまり野暮なことを聞くと嫌われてしまう。根回し力、雰囲気を察する能力、空気を読む能力が求められる。日本、中国、中東、仏、伊、スペインなど。
ロー・コンテクストな社会では、言葉できちんと説明しないと気がすまない。また、会社とプライベートは明確に区別する。北米、イギリス、スイス、ドイツ、北欧など。
日本はハイ・コンテクストな文化だが、一方でマニュアル大好きで、規制・許認可でがんじがらめの一面も持つ。みんなできちっと規則を定めないと、日本民族は気持ちが落ち着かないのだ。
中国も日本と同様にハイ・コンテクストな文化を持つが、マニュアルは嫌いで、政府やお役人を信じない、徹底的な個人主義を貫く。日本とは対照的である。
口を開けば「日本人は・・・」「外国人は・・・」と愚痴をこぼす人がいるが、そんな話を真に受けないように。
これからは、普通の人が普通に国際ビジネスの舞台に立たされる。あなたも今日から、日本と中国、アジアと欧米を比較する多角的な文化指標を持とう。
読み方:ちーむ
チームとは、目標達成への意欲が強く、自立的に機能する人々の集団。チームはグループの一種だが、以下の点に特徴がある。
・チームにはリーダーが存在する Shared leadership
・チームメンバーには責任が生じる Accountability
・チームには絶対的な目標がある Purpose
・チームは協同して特定の成果物を作成する Work Products
・チームは問題解決に向けて積極的にコミュニケーションを図る Communication
・チームは目標に向かって真っすぐに行動する Effectiveness
・チームは目標に向かって協調して動く Work Style
【チームとグループの違いの例】
合コンに集まった男女は、「出会い」という共通目的のために集まったグループ(group)である。一方、男性陣が一致団結して比嘉君に彼女を作ろうと企んでいたら、彼らは立派なチーム(team)である。
読み方:ぐるーぷ
グループとは、特定の興味や価値観を共有する人々の集団。
学校や会社、宗教や政治団体、地域社会、親戚・地縁等は広義のグループである。
一般に、組織行動論で対象とするグループは2~20名規模とされる。これを狭義のグループと定義する。狭義のグループは、共通の目的や目標を持つ。
日本やイスラエルでは、グループは個人よりも重視される。米国や中国沿岸部の大都市では、グループよりも個人が尊重される。
週末起業セミナーでは、「起業家は、一人で何でもやろうとすると失敗する」と説く。特に、リソースが限られる週末起業家にとって、時間の浪費は致命的である。
ここで、グループを上手に機能させる5ステップ(*)を紹介する。
1. forming: グループリーダーを決める 2. storming: 目標と優先度、メンバー交流の仕組みを作る 3. norming: ルールを作る 4. performing: 目標達成に向けて一致団結して頑張る 5. adjourning: 事態急変したときに、上手に活動休止する
*The Five-Stage Model (Tuckman adn Jensen 1977)
元長野県知事の田中康夫氏は、強い個性で群集を惹きつける政治家だが、グループ運営は下手くそ。典型的な一匹狼である。彼の問題は、メンバー交流の仕組みづくりではないかと思う。
あなたの周りの一匹狼を見つけて、その人の欠点を分析してみよう。
読み方:こみゅにけーしょん
コミュニケーションとは、異なる人々がアイデアや考えを互いに交換し合う一連の行為(process)である。コミュニケーションのプロセスは6つに分割される。
1. 発想 Thought 2. 符号化 Encoding 3. 受領 Receiving 4. 復元 Decoding 5. 理解 Understanding 6. 反応 Feedback
コミュニケーションに不安がある人は、6つの行為のどこに問題が潜んでいるのかを自己診断しよう。主な原因はノイズ混入である。ノイズによって本来伝えたい意味が変化する。
商売の基本は、顧客とのコミュニケーションである。あなたが顧客と意思疎通を図れないとしたら、どちらかの文化や価値観、経験が余計なノイズを生み出しているに違いない。
全く同じ言葉を聴いても、受け手によって反応は全く異なる。煽り系のメッセージを好む顧客もいれば、胡散臭いといって敬遠する顧客もいる。
コミュニケーションの目的は情報共有ではない。相互理解である。さらにコミュニケーションの結果は、必ず行動を伴う。行動こそ命。
読み方:ぶんか
文化とは、特定の集団が持つ生活様式。 culture is a way of life of a group.
国や個人だけではなく、小さな組織や多国籍企業にも文化がある。
あなたの顧客の文化を知らずして、商品やサービスが提供できるはずがない。恐らく、あなたの想像以上に、人々の文化は起業活動に大きく影響する。
私の本業は中国ビジネスコンサルタント。なので、異文化コミュニケーションの理解が仕事の成功の鍵を握る。
文化やコミュニケーションを極めると、それだけで飯が食えてしまう。文化論は、いまや心理学と並び現代のビジネスパーソンの必須科目である。
文化は、バームクーヘンのような3層構造からなる。
第1層、すなわち最深部は、仮定である。誰もそうとは言わないけれど、全員が理解している仮定。例えば「モノより思い出」など。
第2層は、価値観であり、善悪の判断基準を提供する。第1層との違いが理解しにくいが、例えば「お客様は神様だ」など。
第3層すなわち、最も表面にあるのは、誰もが理解できる行動規範。例えば「みんなが集合するまで、乾杯はおあずけ」など。
あなたは、顧客の文化をどこまで深く理解しているか。独りよがりで的外れな提案をしていないか。ブログを書くなら、読み手の文化の核心に触れるよう心がけたい。
顧客の心の旋律を奏でるために、顧客の文化の第1層を刺激するメッセージを意識的に発信し続けよう。
読み方:しきんちょうたつこすと
資金調達コストとは、企業が資金を調達する費用であり、年率で表現される。通常はWACCと表記して、"わっく"と発音する。
WACCを算出するには、銀行からの借り入れ費用、株式発行による資金調達費用、社債発行費用などを求める。さらに税金も考慮しなくてはいけない。WACCは明快な数式で定義できるが、意味を理解するにはちと時間を要する。
あなたが、住宅ローン金利4%で銀行からマイホーム購入資金を調達したとき、(住宅購入ためのローンの)資金調達コストは4%である。さらに、両親から無利子で頭金相当額を借りることができれば、あなたの住宅購入のための資金調達コストはもっと低くなる。
【例題】個人の住宅購入のためのWACC
住宅ローンで3,000万円(固定金利4%)を調達 両親から無利子で1,000万円を調達
WACC=4%*[3,000/(3,000+1,000)] + 0%*[1,000/(3,000+1,000)]=3%
住宅購入を投資家の視点で評価するとき、あなたの住宅が資金調達コストの3%を上回る利回りを生まない限り、この投資は失敗である。
バブル時代には、土地を購入した後も地価がどんどん上昇したので、投資効率はよかった。ただし、WACC算出時には、地震や火事、地価下落のりリスクも十分に考慮に入れること。
とはいえ、個人でWACCを計算することはないだろうから、今日の話はあくまでも頭の体操ということで。
読み方:ざんぞんかち
残存価値とは、ある資産の減価償却が済んだ後に残った価値のこと。会計上の価値はゼロだけど、実際には中古品として売れることが多いので、その時の売価を残存価値とする。
一般には取得原価の10%とする。
パソコンの減価償却期間(耐用年数)は4年。つまり、新品パソコンも4年経てば会計上の価値はゼロ。ただし、まともに動いていれば、1-2万円くらいで売れるかもしれない。
あなたが保有する資産の残存価値を知ろう。有形資産だけではなく、知識や学歴・保有資格といった無形資産にも耐用年数はある。あなたの資産価値は、すでに残存価値だけかもしれない。
読み方:ボカ
簿価とは、会社が土地や機械設備、有価証券等の資産を購入したときの取得価格であり、帳簿に記載された金額のこと。帳簿価額の略称。
大昔、500万円で取得した土地が今では何百倍にも値上がりした。ところが、帳簿には取得価格の500万円としか記載されていないケースが山ほどある。
例えば、阪神電鉄が所有する甲子園球場の土地は簿価500万円なり。誰が考えても、これは正当な評価額ではない。かつての村上ファンドは、簿価と時価の差額で儲けようと企んで企業買収を仕掛けた。
簿価と時価(現在の価値)、企業はどちらの数字を用いて会計報告すべきだろうか。正解は、企業の財務戦略によって答えは異なる。
ただし、週末起業家は自分の資産を簿価ではなく時価で評価すべきである。
・自宅の資産価値 ・積み立てた年金の資産価値 ・各種保険の資産価値 ・メルマガ読者の資産価値 ・運営するブログの資産価値
パソコンなんて、買った瞬間に資産価値はほぼゼロである。中古パソコンなんて今時は誰も買いたくないし、そもそもパソコンは資産ではなく消耗品である。
読み方:エージェンシー・コスト
エージェンシー・コストとは、会社の株主の意に反して経営陣が自分に都合のよいように行動することを監視・抑制するためのコスト。
お茶の間で話題沸騰の米国系ファンドのスティール・パートナーズの行動原理は、エージェンシー・コストで説明できる。
株主が短期利益を追及しているのに、会社を運営する経営陣が利益を社内に溜め込むことを望んだら、そこに利益相反が生じる。
スティール・パートナーズ:「もっと配当を寄こせ」 ブルドックソース社:「成長するためには現金の内部留保が必要」
この対立にかかる費用がエージェンシー・コストである。
安定した運営を望む株主に対して、一発逆転を狙ってギャンブルを打つ経営陣がいたとき、そこにもエージェンシー・コストが発生する。
ギャンブルの結果、会社が潰れても経営陣は別の会社に転職すればよい。ところが、株主の資産は紙切れになる。
ギャンブルの結果、事業が大当たりすると経営陣は大儲けするが、株主の価値は思ったほど増えない。
やっぱり、株主と経営陣には利益相反が生じてしまう。
週末起業家を始めた夫と、それをしぶしぶ承諾した妻の関係でも、エージェンシー・コストが発生する。
夫=経営陣 妻=株主
エージェンシー・コストが高すぎると、週末起業どころではなくなり、次第に疲弊して勢いを失ってしまうだろう。気をつけるべし。
読み方:はいとう
配当とは、株主への利益分配の一手法であり、一般には各四半期に企業に内部留保された現金から株主に支払われる。
急成長する会社の配当は高くて、安定企業の配当は低い・・・、と勘違いしがちだが、これは間違い。
儲かっている会社だけが配当を出せるが、実際には低成長・安定企業が支払う配当の方がずっと高い。
成長著しい新興企業は、株主に配当するよりも現金を事業に再投資する方が好ましいと判断すれば、配当を支払うことはない。
「会社は誰のものか?」と問われると悩ましいが、「会社の資産は誰のものか?」と問われれば、即座に株主のものであると答える。
読み方:ふどうさんとうししんたく
不動産投資信託とは、商業不動産への投資を促進するために生み出された小口の所有権利である。この権利は、主にビルの賃料から生じる収入の一定割合に対するものである。
一般に、不動産投資信託のことをREIT(リート)と呼ぶ。REITの流動性は株式と同様に高い。これがREITの魅力の1つである。
REITが発明されたおかげで、巨大な商業不動産を個人レベルでも所有できるようになった。この発想は他にもいろいろ役立ちそうだ。
・映画投資信託(ある) ・アイドル投資信託(ある) ・東京五輪投資信託(?) ・地雷除去投資信託(?) ・サンゴ保護投資信託(?) ・伝統芸能保存投資信託(?) ・トキ復活投資信託(?) ・宝くじ投資信託(?) ・花火大会投資信託(?) ・温泉掘削投資信託(?) ・太陽光発電建設投資信託(?)
これからの信託を実現させたいなら、利益配分にかかる課税を撤廃すればよいと思う。
すなわち、特定の個人や企業のみが利益を享受する場合には、通常通り所得税やキャピタルゲインに課税する。信託にして、不特定多数が資産を小口所有する場合には、各々が得る利益に対して課税しない。
優れた起業家は、利益と税金は常にセットで考えるものである。
読み方:ぷろじぇくと
プロジェクトとは、始まりと終わりが明確に決められた独自性のある業務のこと。反対に、日常的に継続反復される仕事を定常業務という。
プロジェクトでは、達成すべき最終目標は明確だが、細かい各業務については曖昧な部分が多い。そこで、根回し・すり合わせなどの手法を駆使して、段階的に仕事を詳細化する。
週末起業家の活動は、プロジェクトと定常業務のいずれかで構成される。
「○月○日までにブログを開設するぞ」はプロジェクト。 「開設したブログを毎日更新」する活動は定常業務。
私たちは、華々しいプロジェクト活動の結果に一喜一憂しがちだが、成果をあげる週末起業家は定常業務の改善こそ、成功の鍵だと口を揃える。さすがに、成功者の視点は凡人とは一味異なる。
たまに、会社で新規事業立ち上げを担当したと自慢する週末起業家がいるが、彼らの多くは自らの週末起業活動を軌道に乗せられない。反復される地道な定常業務をこなせないのが主な失敗原因だ。
あなたは、プロジェクト活動の大半は定常業務が土台となっていることを正しく認識できているか。以上を理解した者だけが、起業家として活躍することが許される。
読み方:りゅうどうせい
流動性とは、ある商品がどれくらい他の商品と交換しやすいかを示す尺度。財務会計の世界では、換金のしやすさを意味する。
例えば、東証一部上場企業の株はすぐに現金化できるが、不動産はなかなか現金化できない。買い手が見つからない上に、価格交渉も難しい。不動産屋の仲介手数料もやっかいだ。
一部上場企業の株は流動性が高いといい、不動産は流動性が低いと表現する。
不安な状況下では、流動性が低い金融資産を持ちたくない。売却したいときに売却できないリスクを流動性リスクという。
週末起業家のビジネスにも流動性はある。時間の切り売りばかりして、本人がいないと回らないビジネスの流動性は低い。すなわち、転職や転勤などの事情で週末起業活動を辞めざるを得ないときに、事業を他人に譲渡・売却することができない。
反対に流動性の高いビジネスとは、広告収入を主体とするポータルサイト運営、読者数の多いメールマガジン事業など。
週末起業家は、必ずしもビジネスオーナー化を目指す必要はないが、たまには自分のビジネスの流動性を意識してみるのもいいだろう。
読み方:げんかしょうきゃく
減価償却とは、長期間にわたって使用する高額の設備・固定資産を購入した企業が、当年度に費用として一括計上するのではなく、使用期間に応じて毎年少しずつ費用分配する経理手法。
週末起業家のあなたは、今年200万円の自家用車を即金で購入したとする。今後、5年間は乗り続けたいと思っている。もし、減価償却の仕組みが適応されないとどうなるか。
あなたは、今年度末200万円を自動車購入費用として一括計上する。当然ながら、その分だけ今年度は利益が減る。小さな会社なら、それだけで赤字決算に陥る可能性もある。
ところが、自動車は来年も再来年も、そして5年後も価値ある資産として存在し続ける。
この場合、200万円を使用期間の5で割って、毎年40万円ずつ費用分配する方が、経理的に健全ではないかと考えたくなる。
つまり、減価償却を発明したことで、設備投資した年度だけ大赤字を記録して、翌年以降は黒字が続く、なんて事態を避けることができるのだ。
減価償却する期間や償却金額の決め方は、法律によって細かく定められているので、厳密には上記の限りではない。前出の自動車購入の例は、減価償却の考え方を理解する手助けとなれば幸いである。
あなたも、自分の資産管理に減価償却の考え方を適応してみてはいかが。資産とは、有形の金融資産だけではなく、知識・ノウハウ・学歴・人脈・肩書きなどの無形資産も含む。
そのためには、会社と同じように、あなたも定期的に自分の棚卸しをやってみよう。
すると、生涯有効だと思っていた「学歴」が、既に償却期間を終えて無価値になっていたり、新しく始めた趣味がとてつもない可能性を秘めた資産だったりするかもしれない。
最近の傾向は、償却期間を短く設定すること。
なぜなら、大枚をはたいて購入した自宅マンション、学歴や肩書き、資格、各種セミナーで学んだテクニックなどは、全てあなたの想像以上に短期間のうちに資産価値が償却されてしまうから。
正直さや責任感といった原理原則以外の資産は、すぐに陳腐化してしまうのだ。
読み方:たいしゃくたいしょうひょう
貸借対照表とは、ある時点において企業に蓄積された総資産の内訳を示す計算書のこと。英語表記からB/S(びーえす)とも呼ばれる。
総資産は、自分の資本と他人から預かった資本(負債)の合計である。すなわち、総資産=自分資本+負債。株式会社の場合は、自己資本のことを「株主資本」と呼ぶ。
貸借対照表は、企業だけの特権ではない。国や自治体でも計算できるし、私たち個人でも計算できる。
貸借対照表は、企業の財務体質を如実に示すレントゲン写真だとも言われる。見た目は元気な人がレントゲン写真を撮ったら、肺に影が写ってた!なんてこともある。
財務面の健康状態とて同じこと。安定した売上を確保できるのにもかかわらず、次第に疲弊する会社がある。
北海道夕張市の財政破綻が典型例。貸借対照表を厳しくチェックすれば未然に防ぐことができたはずだ。明らかに、行政の怠慢である。
同様に、個人の貸借対照表を定期的にチェックする者は少ない。すなわち、家計簿をつける主婦は多いが、家計の安全性を診断する貸借対照表については全く無知な状態である。
厳しいかもしれないが、これも家計の怠慢である。
読み方:フィナンシャル・リテラシー
フィナンシャル・リテラシーとは、財務の読み書き能力と直訳されるが、ここでは誰もが身につけるべきお金にまつわる基礎的な知識・教養と定義する。
具体的には、財務諸表や投資案件に記された個々の数字を理解して、大局的視野からお金を扱う意思決定を行うためにフィナンシャル・リテラシーは欠かせない。
株式投資をする際には、有価証券報告書(特に財務諸表)からこの会社の安全性や将来性を推測する。
週末起業家にとって重要なフィナンシャル・リテラシーは、個人資産をフローだけではなく、ストックとして理解する能力である。具体的には、家計簿をつける一方、自分の貸借対照表(B/S)を持つこと。
フローとは毎月の収支のことで、家計簿をつけている世帯ならおおよそ把握できる。
ストックとは蓄積された総資産を示す。現預貯金がいくら貯まったか、保有する株式の時価総額はいくらか、自宅マンションの現在価値はいくらか、過去に払い込んだ年金額はいくらか、生命保険の支払額はいくらか、などの質問に答えることで把握する。
先日、ある週末起業家の家計簿と総資産をみたら、5分もたたないうちに大幅に支出を減らして貯蓄を増やす助言ができた。
本来、こうした仕事はFP(ファイナンシャル・プランナー)の役割だが、フィナンシャル・リテラシーが高いとわずかな時間で直感的に有益なアドバイスができる。
この週末起業家は、たった2つの助言を実行しただけで、毎月3万円も支出を減らすことに成功した。節約されたお金は、週末起業のために投資される。
読み方:ないぶしゅうえきりつ
内部収益率とは、正味現在価値(NPV)がゼロとなる割引率である。IRRと表現することも多いので、覚えておこう。不動産投資では、内部収益率を使った投資実行の可否判定によくお目にかかる。
あなたが、起業ネタを思いついたとき、このネタに挑戦するか否かを判定するときにも内部収益率は用いられる。
・IRRの使用例 ネットショップを立ち上げるため、初年度に20万円の投資が必要。成功すれば、次年度から4年間にわたり毎年6万円の収益が見込まれる。
この起業のIRRは7.7%である。ところで、あなたはIRR 7.7%の案件に投資すべきだろうか。
ある人は「銀行に預けるよりも有利なので挑戦します!」というかもしれない。別のものは「起業は危険いっぱいなので、この程度のリターンではやりません」と投資をあきらめるかもしれない。
内部収益率は、エクセル関数IRRを用いて簡単に計算できる。
読み方:わりびきりつ
割引率とは、将来価値から現在価値を算出するときに使う割合のこと。ファイナンスの基本原則「今日の1円は来年の1円よりも価値がある」を信じる人は、利子率と同様な概念として、割引率をすんなり受け入れられるだろう。
・利子率のおさらい 現在の100万円を年利7%で運用したら、来年は107万円になる
・割引率で考える 来年の107万円を割引率7%で割り引くと、現在価値は100万円になる
ここで事例研究を1つ。あなたは、35年間支払い続ける年金払積立障害保険に加入しているとしよう。無事に60歳を迎えたら、5年間100万円が支払われる契約で、月々の支払額は12,800円とする。
仮にあなたの年齢を30歳、割引率を3%として、将来もらえる年金額の現在価値を計算してみよう。
60歳 100万円 100/(1+0.03)^30 = 42万円 61歳 100万円 100/(1+0.03)^31 = 40万円 62歳 100万円 100/(1+0.03)^32 = 39万円 63歳 100万円 100/(1+0.03)^33 = 38万円 64歳 100万円 100/(1+0.03)^34 = 37万円
以上から、将来もらえる年金総額は500万円を割引率3%で割り引いた現在価値は、およそ194万円。
一方、35年間の保険料の総額は537万円。(年金支給額は500万円)
この数字を見て「37万円の損失だね」とつぶやいたあなたは、大きな間違いを犯している。
月額12,800円を35年間払い続ける保険料の現在価値は、割引率3%で割り引くとおよそ330万円。
つまり、330万円の投資で194万円の年金を買っている。あなたは、「136万円の損失だね」と肩を落とさないといけない。
読み方:むりすくしさん
無リスク資産とは、元本が保証された安全な資産のこと。リスクフリー資産ともいう。
今のところ、日本国が機能不全になる可能性は極めて小さいため、日本の国債は無リスク資産とみなされる。同様に、郵便局や1000万円以下の普通預金も無リスク資産である。
ノーベル経済学賞を受賞したマルコビッツ氏は、合理的な投資家は一定比率の無リスク資産を保有するとよいと主張する。つまり、あなたの家計資産の一部を安全なところに預けると、より効率的に資産運用できるという。
逆にいうと、家計資産の一部をリスク資産に投資するのが世界の常識である。また、無リスク資産といっても、通常は3-5%の利回りを期待する。
起業家はリスクに対する正しい認識を持ちたい。リスクは管理すべきものであって、無条件に回避する対象ではない。
読み方:ぽーとふぉりお
ポートフォリオとは、いろいろな資産の組み合わせのこと。十分に分散投資された状態とは、十分に多様な資産で構成されたポートフォリオを有すること。
もし、目隠し状態で株式投資する銘柄を選ばないといけないとき、ファイナンスの基本原則から、2つの株式銘柄から構成されるポートフォリオよりも、30銘柄から構成されるポートフォリオがより安全である。
十分に分散投資されたポートフォリオの安全性(=リスク)は、市場全体のそれと一致する。最近は、個人でも世界中の資産を組み込んだポートフォリオを構成することできる。日本経済がポシャッても、アジア諸国やロシアが経済成長する限り、ポートフォリオ全体 が傷つくことはない。
週末起業を始めることは、人生のポートフォリオを充実させる最適な方法の1つである。特に、趣味を生かした週末起業は、ポートフォリオのリスクを低下させる効果が大きい。
読み方:かんのうど
感応度とは、ある証券が市場の動きに対してどの程度反応するかを示す指標。ベータ(β)とも呼ばれる。
ベータが1ならば、当該証券は市場の動きと完全に一致する。現実にはありえないが、もしある株式のベータが0ならば、その銘柄は市場動向には全く左右されない。
簡単なクイズ 次の各事業のベータ(β)の大きさを予想しなさい
(1)高級ブランド品の販売 (2)世界規模で展開するビール会社 (3)週末起業フォーラム
頭の体操と思って自由に発想してみよう。
答え (1)1<β (2)0<β<1 (3)β<0
解説 (1)高級ブランド品販売は景気に大きく左右されやすいので、βは 1よりも大きい。
(2)世界規模で展開する事業は、市場の影響を受けにくい。またビール消費量は景気変動の影響を受けにくい。つまり、人々は、豊かになっても貧しくなっても、相変わらずビールを飲み続けるのでβは0に近づく。
(3)あくまでも予想だが、世の中が不景気になって、社会不安が増殖すればするほど週末起業家は増えるのではないか。つまり、市場と反対方向に動くので、週末起業フォーラムのβは0より小さい。
読み方:しじょうりすくぷれみあむ
市場リスクプレミアムとは、市場の収益率と国債利回りとの差分である。
市場の収益率とは、投資家が市場全体に投資したときに期待する利回りである。市場全体が活性化し、リスク志向になると市場の収益率は上昇する。社会が沈滞して、人々が安全志向になると市場の収益率は下降する。
国債利回りが引き合いに出されるのは、国債が安全資産だと考えられているから。つまり、国債は無リスク資産の代表選手である。
1900年以降の米国の市場リスクプレミアムの平均は、年率7.6%であった。日本のそれは3-7%と言われる。
あなたの週末起業にも、期待する収益率があるだろう。もし、あなたが年率7%成長を望むとする。国債利回りが1.3%ならば、あなたの週末起業リスクプレミアムは、7.0-1.3=5.7%。
数字が大きいほど優れているとは限らない。あなたが高い収益性を望むということは、それだけ高いリスクを背負っているということ。リスク管理が下手な人は、いくら願望が高くても夢は叶えられないのである。
リスクプレミアムは、投資家の視点から週末起業を分析する一つの材料を与えてくれる。
前出の週末起業を実現するために、金融機関から年率6%の利息で事業資金を借りようとする。ところが、この利息では、せっかくのリスクプレミアムが全て吹っ飛んでしまう。
懸命な投資家なら、こんな週末起業に資金を投下するくらいなら、安全な国債を買った方が得だという結論に至る。
読み方:そんえきぶんきてん
損益分岐点とは、初期投資額と固定費と変動費が回収できるぎりぎりの販売件数。
初期投資が小さくて、固定費がほとんど要らないビジネスの損益分岐は低い。このため、多くの週末起業家は、より少ない売上で累積赤字から黒字に転換できる。
対照的に、初期投資額が大きい、あるいは膨大な固定費を要するビジネスの損益分岐は高い。週末起業で飲食店を始めようとすると、数百万円のFC加盟費用、数千万円の店舗取得費用が必要になり、累積赤字を解消するまでに最低でも5年を要する。
損益分岐点を分析するとは、投資回収に必要な最低ラインの販売数(売上)と期間(何年で黒字転換するか)を予測することに他ならない。
会社員として安定した収入源を持つ週末起業家は、独立したてのヨチヨチ歩き起業家と比べて、資金調達能力に優れ、より高い損益分岐点にも耐えられる。
このメリットを甘く見てはいけない。慌てて会社を辞める前に、起業家としてやるべきことはたくさんある。
読み方:ふくり
複利投資とは、金利収入をさらに多くの金利収入を得るために再投資すること。つまり、利子が利子を生む。対照的に、単利投資(simple interest)では、金利収入は再投資されない。
かのアインシュタイン博士が「複利」こそ人類最大の発明だといったのは有名。
複利はあなたの実生活でもとても役立つので、興味のある人は以下を暗記しておこう。
・金利7%で10年複利投資すると、元本は2倍に増える ・金利26%で10年複利投資すると、元本は10倍に増える ・日本の長期国債の金利(利回り)は1.6~1.8% ・日本の普通預金の金利は0.2% ・米国の銀行には金利5%強の普通預金も存在する ・米国や欧州の金利は上昇傾向であり、日本との格差は広がる一方 ・シンガポールの年金ファンドの平均運用利回りは9% ・米国ハーバード大学の15兆円基金の運用利回りは15%
今夜の週末起業ゼミナールで紹介する「ベトナム株投資で3億円」と聞くと、遠い世界の夢物語のように感じるかもしれない。だが、志ある会社員なら十分に実現可能な運用形態である。
複利の力をあなどるなかれ http://www.shumatsu.net/semi.html
読み方:げんざいかち
現在価値とは、将来得られる価値を現在の金銭価値に置き換えたもの。現在価値が重視される理由は「今日の1万円は明日の1万円よりも価値がある」というファイナンスの基本原則に基づく。
例えば、年率7%で成長する定期預金に1万円を預けると、10年後には10万円になる(複利で運用)。ということは、10年後の10万円の現在価値は、金利7%で割り引いたとき1万円である。
2007年6月27日に開催される週末起業ゼミナール講師の酒枝氏は、ベトナム株投資で3億円を稼ぎ出したが、元手はたったの100万円。彼の資産は3年でおよそ100倍に成長した。
2004年にベトナム株投資を始めた時点に立ち戻る。ゼミナール講師にとって、3年後すなわち2007年時点の3億円の現在価値は、たったの100万円であった。
週末起業フォーラムの藤井孝一代表は、理念のない拝金主義や不労所得願望を嫌う。だが、優れた起業家が有する優れた投資マインドを否定するものではない。
週末起業ゼミナール「ベトナム株投資で3億円稼いだ男に聞く」 http://www.shumatsu.net/semi.html
読み方:ぶろぐぱーつ
ブログパーツとは、ブログのサイドバー領域に貼り付ける組み込み型のプログラム部品。多くは第三者によって無償で提供されるので、利用者は所定のHTMLコードをブログに埋め込むだけでよい。
ブログで口コミを仕掛けるなら、ブログパーツの手助けは有効。何でもいいので、口コミする「きっかけ」が欲しいところ。
実は私、昨年上映された映画「エ○ロ○ 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」のマーケティングを仕掛ける側にいたことがある。 (ここだけの話^^;)。
いわゆる、ブロガーによる口コミマーケティング。私は企画者ではなく、ブロガーとして情報発信する立場で参画した。
[手順] 1. 無料試写会に招待される 2. 映画の感想をブログに書き込む 3. トラックバックしまくる 4. 以上
娯楽性ゼロの完全ドキュメンタリー作品だったので、残念ながら、日本では流行らなかった。しかしながら、悪い口コミが流れる「炎上」現象も見られなかったので、評価は可もなく不可もなくといったところ。
読み方:にんちかんよ
認知関与とは、見込客がある商品の関連情報を「もっと知りたい」「もっと集めたい」と感じるマニア度。知識の蓄積そのものを楽しいと感じるくらいにハマったかどうかを示す。
ある商品への認知関与が深いとは、よりマニアックにハマッているという意味。
ポケモンが世界中で人気を博した理由の一つは、認知関与の深さで説明できる。ポケモンの仕掛け人は、アニメ番組に加えて、カードゲーム、おもちゃなど次々に新しい媒体で子ども達に刺激を与えた。
趣味を活かした週末起業家は、見込客の認知関与を深める努力が絶対に欠かせない。
例えば、折り紙分野で起業するなら、次のような活動を通じて見込客の認知関与を深めよう。
・次々と新しい折り紙作品を展示する ・折り紙の歴史、種類を幅広く紹介 ・折り紙クイズ、折り紙Q&Aを掲載
成功の鍵は、マニアな見込客の「もっと知りたい」「もっと新しいことを学びたい」という知的欲求を刺激し続けることである。
読み方:ものがたりまーけてぃんぐ
物語マーケティングとは、広告メッセージを物語に乗せて発信するマーケティング手法。
よくある物語マーケティングは次の2パターン。
・商品開発の苦労話や生産者の思いを物語形式で紹介 ・テレビCMをストーリ仕立てで発信
前者は、最春館製薬、やずやの「雪待にんにく卵黄」など。後者は、鈴木京香演じる東京電力のオール電化が有名。
マーケティングで物語性を打ち出すことで、単なる機能紹介ではなく、「省エネ」「安全」といった便益が分かりやすく相手に伝わるようになる。
もし、あなたがブランドを確立したいのなら、認知関与を深めるために物語やクイズを活用したい。一貫したストーリーがあればこそ、使用場面や使用者を特定したメッセージが市場に浸透する。
読み方:すきーま
スキーマとは、消費者の心に刻まれた商品やサービスのあるべき姿のこと。
近年の消費者金融(サラ金)のテレビCMは各社同じフォーマットであることにお気づきだろうか。すなわち、制服を着た女性オペレーターが登場して「ご利用は計画的に!」とにっこり笑う。
視聴者の心には、制服女性やチワワ(犬)といえば「サラ金!」というスキームが出来上がっているので、認知しやすいのである。
これは、消費者金融各社が不祥事を起こす直前まで有効に機能したスキーマ活用の成功例である。
読み方:しょうひんかんよ
商品関与とは、商品そのものに対する入れ込み度合いのこと。商品関与が極めて深い人は、しばしば○○通として崇められる。
一方、ブランド品が大好きな人種にとって、大事なのは商品そのものよりもブランドである。この場合、ブランド関与が深いという。
今年、私はMLBに移籍した松坂大輔にはまっている。大リーグ中継はNHKの独占だが、NHKが全国ニュースで松坂人気をあおることで、私たちの松坂関与はずいぶん深まった。
松坂への需要が喚起されたおかげで、市場全体のパイが広がった格好となり、全てのTV局・スポーツ紙が恩恵を受けたと考えられる。
読み方:しんふろいとは
新フロイト派とは、パーソナリティは社会的な関わりによって形成される主張する心理学者フロイトの弟子たちの学派。
・フロイト派:パーソナリティは幼児期に形成 ・新フロイト派:パーソナリティは大人になっても変わり続ける
新フロイト派によるパーソナリティ分類法
1 追従型:困難に遭うと人を頼る 2 自己主張型:困難に遭うと行動的、積極的、競争的に対処 3 遊離型:困難に遭うと人から離れて独りで解決しようとする
マーケティングへの応用例を紹介する。百貨店の店員がお客に声をかけるタイミングを考えてみよう。
追従型の客: 店員から声をかけられると「いや」と言えないので、声かけが購買促進につながる。ただし、嫌な思いを感じると次から来店しなくなる。
自己主張型の客: 基本的に店員からの声かけは不要。用があれば自分から呼びつける。
遊離型の客: そもそもデパートでの買い物を敬遠しがち。できれば誰とも話さず、ネットで買い物を済ませたい。
見境なく客に声をかける店員はアホである。ちなみに、中国の百貨 店では店員は遠慮という単語を知らない。国民性の違いとも言えるかもしれない。
長期的な顧客創造を志すなら、百貨店の店員はお客が望むタイミングで適切な言葉をかけるべきである。つかず離れずの精神は、国や文化の違いを超えた共通指針である。
読み方:さいこぐらふぃっくす
サイコグラフィックスとは、見込客のライフスタイルを研究し、思考や価値観、行動志向などの特性よって見込客を細分化する消費者分類法。
属性とは、年齢や所得、職業や職制など人口統計上の特性。ライフスタイルとは、活動、関心事、意見の特性。
一口に「30代・男性会社員・都市部」といっても、ビジネス書を読み漁り自己啓発に大金をつぎ込むモノと、競馬新聞を片手に週末は競馬場に足繁く通うモノのライフスタイルは全く異なる。
Windows vistaが発売されたらすぐに飛びつくイノベイターと、未だに携帯電話すら持たないラガーズの行動様式は全く異なる。
最近は属性を無視して、ライフスタイルだけで見込客を分類する会社も増えてきた。つまり、性別や年齢、居住地に関わらず売れる商品が増えてきた。
読み方:でもぐらふぃっくす
デモグラフィックスとは、見込客の年齢、性別、所得、職業や職制、居住地など人口統計上の属性によって見込客を細分化する消費者分類法。
見込客の属性を知ることは、マーケティング調査の基本である。
「団塊の世代」は、典型的なデモグラフィックスによる分類である。リゾート地への移住支援ビジネスでは、見込客の可処分所得をよく考えないといけない。持ち家か借家も重要な属性だ。
ところが、地域のコミュニティ活動に熱心な熟年夫婦は、リゾート移住計画に興味を示さないだろう。酒タバコ、ギャンブル好きな旦那がいる所帯とロハスLOHASな所帯でも行動様式が全く異なる。
近年の多様化した社会では、見込客の属性だけを見ても効果的なマーケティング活動は行えない。
読み方:ふっと・いん・ざ・どあ・てくにっく
フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、小さなことを承諾した後では、大きなことも承諾しやすいという心理特徴を使った巧妙なセールス技法。
社会心理学の名著「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」で紹介された「コミットメントと一貫性」の応用技である。
保険外交員もフット・イン・ザ・ドア・テクニックを恒常的に使っている。
年配主婦をターゲットにした医療保険は「女性特定の病気に手厚い」という切り口で攻めている。加入者は主婦だが、購入者は本人ではなく配偶者かもしれない。
購買への第一歩は平日の朝番テレビCM。台所感覚のふつーの「おばちゃん」が登場して共感を誘う。次に、旦那と相談して資料請求する。
この過程でアンケート記載や無料診断などを受ける。小さなことを承諾したら、徐々に大きなことを承諾させられる。いつの間にか、高額な保険商品を買わされる。
読み方:こてんてきじょうけんづけ
古典的条件付けとは、見込客が自分の意思とは関係なく条件反射により広告に反応する性質を持つこと。有名なパブロフの犬の実験が原型である。
「餌を与える前にベルを鳴らすと犬は自動的によだれを垂らす」
あなたもレモンや梅干を見ただけで唾液が分泌されるだろう。これも、古典的条件付けの典型である。
政治家の選挙ポスターに子供や動物の写真が多用される理由も、古典的条件付けの理論で説明できる。
なぜかオヤジが子供と手をつないでいるが、有権者は無条件に「人間的」「愛情」「親近感」という気持ちを覚える。政治家なんて海千山千のオヤジなのに、私たちは条件反射的に親しみやすいイメージが刷り込まれてしまう。
読み方:ごかん
五感とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、そして嗅覚の5つの感覚のこと。人間は五感すべてに刺激を受けたとき、最も脳が活性化される。加速学習やマーケティング分野での研究が盛んである。
最近は、インターネット上でも動画や音声を駆使したマーケティング手法が花盛りである。それでも、味覚や嗅覚への刺激はきわめて小さい。
そこで注目されるのが物語である。物語形式の広告は、五感をフルに刺激することができる。例えば「梅干」という単語を見ただけで、口の中が酸っぱくなる。人には想起する力が備わっているからだ。
例えば、高額で複雑な保険商品のテレビCMにも応用できそうだ。
じゅうじゅうと煙がでる焼き鳥屋で、定年を間近に迎えた男性サラリーマンの会話のシーン。帰宅して妻と会話する。後日、娘から電話がかかってくる。孫をだっこする。数日後、犬と散歩中に保険商品の看板が目に入る、帰宅すると新聞の1面広告が目に入る。
「お、資料請求するだけで豪華景品があたるのか!」と気づく。
とりあえず資料請求だけはしてみるか、と電話を手に取る・・・。のような流れのCMを数回シリーズで企画する。
読み方:くちこみ
口コミとは、正式な広告宣伝媒体を介さず、人々の噂によって商品やサービスの特徴が伝わっていくこと。よい口コミよりも、悪い口コミの方が何倍も早く伝わる。
世の中には、口コミしやすい商品と口コミしにくい商品がある。
育毛剤やカツラは、本来口コミが広がりにくい商品だと思う。髪がふさふさになったので皆に大声で自慢したいかというと、どちらかといえば「いつの間にか」「人知れず」髪の毛が豊かになることを望んでいるのではないか。この点、ダイエット商品とは異なる。
世の中には、コンセプトの意外性から口コミしやすい性質を持つ商材もあるだろう。しかし、決め手はやはり商品力に他ならない。
育毛剤の話題に戻す。本当に商品力に優れているのなら、ユーザー会を結成して、誰が一番ふさふさになったかコンテストを主催すると盛り上がるに違いない。参加させることで、商品への思い込み・入れ込み度が高まること間違いなし。
口コミは、消費者が主体となって参加することで威力が増すものである。
読み方:ぱーそなりてぃ
パーソナリティとは、心理学でいう人格や性格のこと。マーケティングの世界では、広告メッセージや周囲の環境にどのように反応するかを決める心理的特徴と定義する。
1つおもしろい話を紹介しよう。
心理学者のフロイトは、パーソナリティは次の3要素からなると説いた。
イド(id)は本能的、衝動的な部分。超自我(superego)はイドの正反対、本能にブレーキをかける理性的な部分。自我(ego)はイドと超自我のバランスを図る合理的な部分。
優秀なマーケッターは、上記3要素を刺激する広告メッセージを発信する。手順はこうだ。
まず、見込み客の頭の中にいる悪魔と天使を戦わせる。
悪魔「会社なんか辞めて、独立して自由に仕事したい」 天使「独立なんてとんでもない。今の職場で実績を出すのが先だ」
広告によって、普段心の奧に隠された心の葛藤がおもいだされる。 即座に追うちをかけるように次のメッセージを発する。
「会社を辞めずに週末起業すればよい!」
このメッセージは、見込み客の「自我」をほどよく刺激する。
ダイエットコークや糖質0の発泡酒なども、「自我」に正統性を与えるすぐれた商品である。
あなたの見込み客のイド(id)と超自我(superego)を戦わせよ。そして、あなたの商品・サービスが、戦いに終止符を打つ自我(ego)の強い味方であることを訴えよう。
読み方:せいひんしよう
商品仕様とは、売り手が定める商品の性能や特徴のこと。具体的な数値や明確な文章で示される。
一方、顧客は商品仕様そのものではなく、商品から得られる価値や便益で商品を評価する。顧客満足を決定する要因は、何といっても品質である。代表的な品質の7要素を挙げる。
・性能 ・信頼性 ・耐久性 ・機能性 ・精密性 ・修理可能性 ・外見
「100円ショップの製品はすぐに壊れる!」は、耐久性への不満。「メニューの写真と実際に出てきた料理が違う!」は、精密性への不満である。
商品の品質を自慢するとき、具体的にどの要因が優れているのかを自覚しよう。胡散臭い中古車や情報商材の購入を迷っているなら、品質の7要素をそれぞれ個別に評価すればよい。
読み方:ろすかいひ
ロス回避とは、人は何かを得る喜びよりも、失う痛みの方が大きいという性質。一種の偏見ともいえる。
以下のセールストークは、人間の「損したくない、今買わなきゃ」という心理を突いた巧妙な戦術である。
・期間限定です、今すぐクリック! ・今日契約してくれるなら、なんと9,800円でご提供します!
人の錯覚や偏見を利用するのが優秀なマーケッターであるが、悪意を持つ者に利用されるとおそろしい。
週末起業塾で何度も指摘するように、マーケティングで心理テクニックを利用する際には、誠意と専門家としての自覚を忘れないでほしい。使用上の注意をよく読んで正しくお使いください。
■ 心理マーケティング・クイズ
「全品10%引き」と「送料・手数料無料」、一般の消費者はどちらをより好むだろうか?
読み方:まいぼつひよう
埋没費用とは、既に支出されてしまった投資であり、事業から撤退しても絶対に回収できない費用のこと。サンクコストとも呼ばれる。
人は、失ったものの価値を過剰に評価する癖がある。このような錯覚を埋没費用の誤謬と呼ぶ。「覆水盆に返らず」は、埋没費用を気にしちゃいけないことを教訓とすることわざである。
株式投資で「損切り」が難しいのは、人は埋没費用を必要以上に惜しむことから。埋没費用は絶対に回収できないので、きっぱりと忘れた方が良い。
ところが、あなたが会員制ビジネスを提供する側だと、あなたの顧客が埋没費用を忘れてしまうことは不利益となる。たとえば、入会時に1年分の費用を前払いさせたり、高い入会料を取ったりすると、顧客のリピート率が下がってしまうことが研究で分かっている。
高い会費を支払っていると自覚する顧客は、元を取るために一生懸命に活動するだろう。ところが、会員活動にそれほど熱心でない顧客は、入会時の支出の痛みを忘れてしまって、継続する意欲が続かない。
現在、団塊の世代などをコミュニティ化する事業計画が目白押しだが、課金方法を誤るとコミュニティ活動はすぐに尻すぼみになる。事業を生むのはたやすいが、継続することは本当に難しい。
読み方:きしょうせい
希少性の原理とは、人は機会を失いかけると、その機会をより価値あるものとみなす性質のこと。
よちよち歩きの幼児ですら、希少性の原理が当てはまる。人は制限されると余計に欲しくなる性質を持つ。男性諸君が熱烈に支持するチラリズムも希少性の原理で説明できる。
・期間限定 ・数量限定 ・今すぐクリック! ・不倫に燃えるカップル ・トイレットペーパー品切れ事件 ・米騒動 ・たまごっち現象 ・検閲
希少性の原理もマーケティングで大活躍だが、ネット上には胡散臭いセールスレターがわんさかあり正直うんざりする。あなたは誠実さを忘れないでほしい。むやみに競争をあおらないでほしい。
読み方:けんい
権威のルールとは、偉い先生やお役人などが放つ権威に服従してしまう人の悲し性である。権威に対する深く根ざした義務感と関係がある。
日本人は権威に弱いといわれるが、海外の研究でも人は同様に権威に盲目的に従うことが分かっている。
あらゆる売り込みの場面で権威のルールは活用される。大学教授の監修、学会発表、芸能人・著名人の推薦、出版実績のPRなど枚挙にいとまがない。
「影響力の武器」によると、悪意をもった権威者から身を守るには、次の2つの質問を発するとよい。
・この権威者は本当に専門家なのか? ・この専門家はどの程度誠実だと考えられるか?
週末起業塾の塾生がマーケティングで権威のルールを用いる際には、専門性と誠実さを絶対に失わないこと。これを無くしたら、悪魔に魂を売ることになる。
読み方:こうい
好意のルールとは、自分が好意を持っている知人から何か頼まれると、ほとんどの場合イエスと言ってしまう単純な法則。
ある種の人は、初対面でも共通の知人を探しだそうと躍起になる。「あなたは沖縄出身ですか。それじゃ比嘉さんを知っていますか」などと、無理やり相手とつながりを持とうとする。
これは、好意のルールを使う典型例である。共通の友人を見つけだすことで、あなたと絆を作ろうとしている。これは承諾誘導のプロが使う基本技だが、中には無意識のうちであなたに影響力を及ぼそうする者もいるので厄介だ。
好意の絆の効用は絶大である。似たもの同士は惹かれあうが、これも好意のルールの一種である。類似性は外見のみならず、意見・価値観・宗教・郷土など、少しでも共通点があれば何でも構わない。
あなたもマーケティング活動で好意のルールを用いよう。使い方はとても簡単。あなたが好きな見込み客に向かって、素直に気持ちを伝えよう。あそこがいい、ここが素晴らしいなど余計なお世辞はいらない。評価するな、フィードバックせよ。
読み方:ふぃーどばっく
フィードバックとは、相手の言動や印象を映し出す鏡となったつもりで言葉で伝えること。
狭義のフィードバックでは、相手を評価しない、命令や助言を与えない、余計な感情を加えない。つまり、あなたは鏡に徹して、あくまで感じたままを相手に伝えればいい。
ブログやSNSで相手にフィードバックするときには、事実に基づき分析して、論理的に伝えるとよいだろう。必要ならば、「もっと○○した方がいい」と簡単な助言を与えてもよい。
ブログやSNSでは、自己主張の垂れ流しに注意したい。Web2.0時代には、仲間にきちんとフィードバックを与える姿勢こそ評価される。
相手を思う気持ちがないと、本気でフィードバックできない。特にマイナス面を指摘する際には勇気がいるが、そこを避けると成長はストップする。反対に、繰り返しフィードバックを与えることで自分も成長するものだ。
フィードバックの効用は精神論では終わらない。フィードバックは、Web2.0時代に欠かせない集合知を作る能力を磨く最良の手段である。いちいち書き込まないと磨かれない。
この主張は、企業のブログマーケティングを成功させる秘訣でもある。
読み方:しゃかいてきしょうめい
社会的証明とは、見込客が購買を迷っているときに他人の意見を参考にする傾向があること。他の大勢がやっているから、自分も・・・思わせるテクニック。
世界的な名著「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」では、TVのバラエティー番組で使われる「録音笑い」が代表例として紹介されている。
ネット上では、社会的証明のルールを利用した販売促進活動は枚挙にいとまがない。
・オンライン書店の“この本を買った人はこんな本も買っています” ・「人気ランキング第一位」「市場シェアNo.1」 ・有名人の○○さんも使うスキンケア(権威のルールともいう)
ここでクイズ。
政治家のポスターに子供や動物の写真が多用される理由は? (オヤジがなぜか子供と手をつないでいる)
読み方:こみっとめんとといっかんせい
コミットメントと一貫性とは、人は一貫性を保ちたいという気持ちを持っていて、それが人間の行動を動機付ける力となる理論。
社会心理学の名著「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」で紹介された、人を動かす6つの基本ルールの一つ。
ビジネスや投資活動において損失を確定させる「損切り」が難しい理由は、コミットメントと一貫性のルールで説明できる。
負け癖をもつ人がよく口にするセリフが、「これまでに○○万円も投資してきたのに、今更やめられるか!」。
週末起業家もコミットメントと一貫性を利用して、見込み客に影響を与えることができる。アンケートの協力は典型的なテクニックである。
・最初に「Yes」と答えられる質問を投げかける ・次も「Yes」と答えられる質問を投げかける ・・・・ ・最後にこの勢いを借りて一気にクロージングする
もちろん、悪徳キャッチセールス業者も同様にこのテクニックを利用できる。
読み方:へんぽうせい
返報性とは、「他人がこちらに何かの恩恵を施したら、似たような形でそのお返しをしなくてはならない」という気持ちになること。
世界的な名著「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」では、人を動かす強力な方法の一つとして返報性のルールが紹介されている。
おかえしの理論とも呼ばれる。先に無料で与えて、「お返しをしなきゃ」と思わせるテクニックである。
・ドモホルンリンクルの無料お試しセット ・スーパーの無料試食 ・無料小冊子の提供
ネットでモノを売る週末起業家には絶対に欠かせないテクニックである。
読み方:あんもくち
暗黙知とは、言語・数式・図表で表現できない勘・度胸・経験に基づく知識や知恵のこと。反対に暗黙知でない知識や知恵を形式知(explicit knowledge)という。
職人の持つ伝統の技、お年寄りが知っている昔ながらの知恵などは典型的な形式知。NHKドラマ「ちゅらさん」に登場するおばーは暗黙知の宝庫である。
大将だけが知っている秘伝のスープの作り方は暗黙知。誰かがスープのレシピを書いた途端、それは形式知となる。
ここで、ひとつ質問。ビジネスにおいて良好な人間関係を構築する秘訣は何だろうか。
それは暗黙知だといってお茶を濁すのも1つの手だが、起業家ならもっと深く議論したい。例えば、道具や仕組み・ルールを補助的に使えば、人間関係の円滑化にきっと役立つだろう。
もし、良好な人間関係の秘訣は「マメさ」と説く人がいれば、「マメさ」の定義を聞くことだ。一日に何回メールすればマメなのか、そこを明確化することから始めよう。
読み方:じんみゃく
人脈とは、仕事に役立つ人間関係。仕事やお金に直結する人脈もあれば、間接的に影響を与える人脈もある。
人脈は相互作用する。どちらかが与える一方で、どちらかがもらい続ける関係ではない。個人的には、ギブアンドテイク(Give and Take)よりも、ギブアンドギブン(Give and Given)の方が好きである。
人脈というと社外ばかりに目を向けがちだが、異業種交流会でやみくもに名刺交換を繰り返しても意味がない。100名のお友達より1名のビジネスパートナーを持つ方がよい。これがビジネスにおける人脈の極意である。
そのためにも、まずは人脈の棚卸を始めよう。人によっては、社内人脈の強化が効果的かもしれない。「灯台もと暗し」は時代を超えた普遍的な教訓である。
読み方:じーてぃーでぃー
GTDとは、David Allen氏の著書「Getting Things Done」の頭文字3文字。一言でいうと、忙しい現代人のための仕事術。
従来は、時間管理(time management)の重要性が叫ばれていたが、最近では時間そのものではなく自分のエネルギーを管理する手法が求められる。GTDはそのために編み出された。
エナジーマネジメントは、全てのビジネスパーソンに欠かせない新しい自己管理術である。以下は従来感覚の仕事術であるが、GTDではない。
・SEO対策のために○○○を使おう ・メーラーは○○、テキストエディタは○○が便利 ・毎朝起きたら、まず○○をチェックして、次に○○ニュースを見る ・新聞は一切読みません、その代わり○○から情報を得る
GTDは流行である。そのため、無思慮な人たちによって間違ったやり方が広められる恐れがある。だが、日常業務に忙殺される忙しいビジネスパーソンこそ、今の時期に試してみる価値がある仕事術である。
読み方:きせつへんどう
季節変動とは、1年を周期として毎年同じ季節ごとに決まって観測される規則的な動き。天候、取引慣習、社会慣習などが影響して、ビジネスに様々な彩りを与える。
ところで、先月から今月にかけて、なぜか急に週末起業セミナーの受講者が増えている。これは、東京だけではなく全国的な傾向である。しかも原因不明。
週末起業フォーラム事務局によると、セミナー参加人数には若干の季節変動はあるものの、この時期に急激に増える理由が分からないという。
いくつか仮説を立ててはいるが、今のところは本当に謎である。そこで、あなたに質問。一体何が起こったのだろうか。原因を推測しなさい。
読み方:こんさるたんと
コンサルタントとは、特定の専門分野を持ち、顧客の依頼に応じて、問題解決や経営改善の指導・助言をする専門家。基本的には、手を動かさず口を出すだけの仕事である。
ここでクイズ。なぜ、コンサルタントは顧客からお金をいただけるのだろうか。コンサルタントが提供する価値とは一体何だろうか。
これは難問である。
先日、週末起業塾mixiの塾生に聞いてみたら、なかなか「これ!」という回答はで出てこなかった。なぜ難しいのか。それは、ほとんどの人は、コンサルタントにお金を払った経験がないからである。
試しに、あなたの周りで、コンサルタントやコーチング・カウンセリングにお金を払ったことがある人を探してみよう。
もし見つけたら、その人に、なぜ自腹を切ってまでコンサルタントやコーチを雇ったのかを聞いてみよう。
分野は違うが、占い師にお金を払う気持ちとコンサルタントにお金を払う気持ちは似ているかもしれない。似ていないかもしれない。
顧客がコンサルタントにお金を支払う最大の理由を1つだけ挙げるとすれば、それは「未来への期待料」である。バラ色の未来を描くコンサルタントは、昔取った杵柄や能力の有無によらず高い報酬を得る。